こんにちは。ぼたもちです。
私の健診アプローチを紹介するシリーズ
今日は血圧編です。
※あくまで私のやり方です。
※健診施設のマニュアルや判断基準などがあれば、そちらを優先してください。
〜私の対応〜
私は忙しさにより対応を変えてます。
対象者全員に指示
180/110以上→数日以内に受診
臓器障害ありなら当日中に紹介受診
(*臓器障害あり=頭痛・視力障害・労作呼吸困難・乏尿)
受診者数的に余力あれば指示
160/100以上→家庭血圧測定→高ければ受診(135/85以上)
さらに余力あれば指示
140/90以上→家庭血圧測定→高ければ3ヶ月間の生活改善の指示→それでも高ければ受診
*家庭血圧が低くても、白衣高血圧の可能性があり、その場合は高血圧に移行しやすいため注意が必要であることを情報共有
生活指導:6g未満の減塩・禁煙・減量
減塩指導:スープを飲み干さない、味噌や練り物など塩分多めのものを控える、減塩タイプの醤油・胡椒や唐辛子などの香辛料に切り替える
~解説~
私が忙しさにより対応を変える理由は、忙しさが健診先によって極端に異なるためです。
めちゃくちゃ忙しい会場だと一人1分とかザラです。
1分とか、呼び出し→名前・問診確認→診察→記載→次のご案内で、あっという間です。
そんななか生活指導なんてできません。なので割り切って対応を変えてます。
180/110以上は高度血圧のため、必ず受診勧奨します
ちなみに教科書的には
・高度高血圧+臓器障害あり=高血圧緊急症→すぐに紹介受診(入院+静脈投与)
・高度高血圧+臓器障害なし=高血圧切迫症→数日以内に紹介+安静指示(数日以内に内服薬で降圧)
となってます。
白衣高血圧の可能性もありますが、そんなこと言ってる場合ではない数値だと思います。
あと余力次第で、160以上や140以上の方にも指示します。
大事なのは家庭血圧。
白衣高血圧の可能性が2割ほどあるからですね。
白衣高血圧だとしても本物の高血圧に移行しやすいことは情報共有しておきます。
血圧計はドラッグストアやネットに比較的安価で売ってることもお伝えしたり。
160以上の人だと生活改善とかさせずに高ければ受診
140~159の人だと生活改善3ヶ月頑張ってみて、高ければ受診
120/80以上の人も、家庭血圧・将来高血圧に移行するリスクがあるため、生活指導するのがベターなのですが、本当に指導してたら現場が崩壊するのでしません笑
生活指導は、しだしたらきりがないので、重要度が高いと思われる
『減塩・禁煙・減量』に絞って、対象者ごとに重みを変えてお伝えしてます。
こんな感じですね。
~参考~
【高血圧の診断基準】
診察室血圧140/90以上かつ家庭血圧135/85以上
【人間ドック学会判定区分での要精密判定】
160/100以上(2023年以前は140/90以上でした)
【白衣高血圧・仮面高血圧】
白衣高血圧(全体の2割)は、持続性高血圧に進展するリスクが高いためフォロー必要
仮面高血圧(全体の1割)は、持続性高血圧と同じ扱いでよい。
診察室血圧が非高血圧であっても、10%は仮面高血圧なので、家庭血圧測定は啓発すべき(実際そこまで啓発されてないと思われます)
【家庭血圧測定法】
1日2回(起床後1時間以内(排尿後・食前)・就寝前)、1~2分の安静後、連続2回測定の平均
診察室血圧よりも家庭血圧を優先する
【診察の注意点】
急激な発症、30歳未満であれば二次性高血圧を疑い、受診検討
頸部血管雑音あり(頸動脈狭窄の検出に有効、特異度高い)→頸部エコーで精査を
→つまり高血圧受診者に対しては、頸部血管雑音は聴取するのがベター
【生活指導】
減塩6g/日未満
野菜・果物・魚の摂取
動物性脂肪→不飽和脂肪酸(魚油、オリーブオイル、アマニ油)
BMI<25
有酸素運動30分/日以上(楽である~ややきついと感じる運動、週3以上、こま切れもOK、10分だけでも運動時間を加えるところから始める)
節酒
禁煙
【生活指導 part.2】
内服を拒む患者に、カフをまき最高血圧の加圧をしばらく体験させて、「この圧力が常に血管にかかっている」と説明すると納得してくれることがある
寒さと血圧上昇には関係あり→部屋を暖めることをおすすめする
【薬物治療】
基本的にはなんの薬を使ってもよい。降圧目標達成の方が薬剤選択よりも重要
併存疾患で第一選択となる薬剤あり
【降圧目標(ここは主治医がするところ)】
75歳未満、脳心血管疾患・CKD・DMの既往あり→診察室血圧<130/80、家庭血圧<125/75
75歳以上→診察室血圧<140/90、家庭血圧<135/85
*決して治療開始タイミングを示しているわけではない
高血圧は忙しさにより対応を変える
以上です。
参考になれば幸いです🌈
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