今回プチ書評するのは、岸見一郎さんの「嫌われる勇気」です
「アドラー心理学」とは、オーストリア出身の精神科医 アルフレッド・アドラーが20世紀初頭に創設した心理学ですが
「嫌われる勇気」では、岸見一郎さんという哲学者のフィルターを通して「アドラー心理学」が表現されています
一節一節は、潜在的に持ち合わせている自分の感覚に近いため、本書を読み終えたときには、とてつもない感動的な読了感が得られます
しかし本書を一連の流れとしてみたときに、「自己受容」や「共同体感覚」など一見理解しがたい単語が並んだり、全体像が把握しにくいため、結局どうしていけばいいのか?がわかりにくいのが本書の一番の難点だと思われます
そこで岸見アドラー学マニアの僕が、本書をみて実践したいことを、端的に表現しました
本書をみて実践したいこと
自分に対しては普通であることを卑下せず、誰とも比較・競争せず、理想の状態を追求する
他者に対しては評価せず、へりくだらず、援助(×介入)する
そして他者を無条件に信じることで、他者を仲間とみなし、承認欲求に縛られることなく他者貢献をする
すると「ここにいてもいいんだ」という所属感と「わたしは誰かの役に立っている」という貢献感に満たされる
これこそが自分の人生を自由に、かつ幸福にできる対人関係の向き合い方
嫌われることを怖れるな、「いま、ここ」を真剣に生きよ
さすれば、人生はつねに完結する
対人関係でお困りのかた、どうぞ本書を手に取られてください
あなたを変えるきっかけが無数にちりばめられています
最後に僕のお気に入りの一節を紹介します
哲人 人生における最大の嘘、それは「いま、ここ」を生きないことです。過去を見て、未来を見て、人生全体にうすらぼんやりとした光を当てて、なにか見えたつもりになることです。あなたはこれまで、「いま、ここ」から目を背け、ありもしない過去と未来ばかりに光を当ててこられた。自分の人生に、かけがえのない刹那に、大いなる嘘をついてこられた。
青年 ……ああ!
哲人 さあ、人生の嘘を振り払って、怖れることなく「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てなさい。あなたには、それができます。
岸見一郎; 古賀史健. 嫌われる勇気. ダイヤモンド社.
みなさんに、幸あれ