【健診】粉瘤【必要に応じて形成外科もしくは皮膚科紹介】

こんばんは。ぼたもちです。
今日は粉瘤についてお話しします。
健診で聴診の際、粉瘤をみることがたまにあるので、気になって調べてみました。
良性の皮下腫瘤
アテローム、表皮嚢腫ともいう
袋の内側も表皮
外に脱落するはずの角質=垢や皮脂が蓄積したもの

どこでもできるが、好発部位は背中、顔面、耳たぶ
診断は視診・触診でほぼ可能、可動性良好で基本は軟らかい
黒っぽい開口部(=コメド)が見られる確率は10~35%程度

感染を起こすと炎症性粉瘤と呼ばれる(赤く痛い)
治療はくり抜き法か従来法による摘出術
炎症性粉瘤の場合は、感染を落ち着かせて摘出術
放っておくと大きくなるが、大きくなると治療の傷跡が目立つため、早めがよい
炎症を繰り返したり、経過長くサイズが大きいものは、ごく稀に癌化したとの報告あり
健診医としては、必要に応じて形成外科もしくは皮膚科紹介となる
参考になれば幸いです🌈
【健診】臨床で迷ったときの論文検索【有料級の動画を紹介します】

こんばんは。ぼたもちです。
今日は臨床のための論文検索についてお話しします。
といっても、二つの動画を自分用に超簡単にまとめただけですけど。
質の高い論文の探し方って難しいですよね(というかそもそも学習した記憶がない)
でも健診してても、クリニカルクエスチョンって湧いてくるんですよね。
なので、今回論文の探し方について、調べてみました。
参考にした二つの動画はコチラです。
ではまず上の動画から。
目標:レビューを中心に近年の重要な論文10個程度に絞る
これが大切
RCTは質の低いものや小規模のものが混じってくるため、臨床応用難しい
観察研究も、臨床応用難しい
レビューが一番参考になる

2.MeSH検索では、同義語や類義語を持つ文献も網羅的に検索できる
またMeSHには階層関係があり、上位の用語で検索するとより広い結果を、
下位の用語で検索するとより詳細な結果を検索できる
*ちなみにPubmedでは、キーワードを自由に入力すると適切なMeSHに
自動的に変換されて検索される。つまり、MeSHを使わなくても検索可能。
ただし、MeSHを使った方が精度が上がると言われている。
3.PubMedのAdvanced Searchでは、All FieldsをTitle/Abstractに変更して検索する
下のQuery boxにADDを押して移す
また他のキーワードを付け加えたければ、入力してANDで追加する
4.(PUBLICATION YEARはPUBLICATION DATEの間違い)
ARTICLE TYPEはMeta-Analysis、Review、Systematic Reviewを選択する
Pubmed Impact Factorで、Title横にIFを表示させることが可能
7.Clinical Queriesでは、Pubmedがより臨床に関連のある論文を探してくれる
続いて2個目の動画
もっと気軽に検索しよう
検索はPubmedがいい(Google Scholarも使える)(Up To Dateは有料で高すぎる)
情報を探すのはレビューが一番早い
良いレビューの選び方
Sort byのMost RecentをBest Matchに変えておく
Article typesでReviewを選択する
Text Availability→Free full textを選択する
キーワードで絞る:
Abstractだけはみる。中の本文見ると疲れるので、図表だけザっと追う(マンガと同じ)
*ほとんどの論文は図表だけ見ればわかるように書かれている
わからない病名を調べるのにも超有用
→その際は、Best Matchだけ設定し、病名がわかったら、
病名をBest Match+Review+Free full textに変えて検索する形になる
「2人患者さんを診たら1つ調べる」習慣←1人あたり0.5個の疑問が生じるはず
High-Yieldをキーワードに(珍しい、特徴的なキーワード)
今はchat gptも発展してますので、組み合わせて使うと知識のアップデートが捗ると思います!
今度医療系のchat gpt関連の書籍も購入予定なので、読んだらまたシェアしますね🐷
今回の記事が参考になれば幸いです🌈
【健診】個人で取り組める認知症予防【生活習慣の改善→認知症予防効果が大きい】

こんばんは。ぼたもちです。
今日は「個人で取り組める認知症予防」についてお話しします。
参考URLはこちらです。
https://dementia-platform.jp/ja/article/1497/
結構リスク因子の解析が進んでいるなぁという印象です。
45%の症例で遅らせたり、軽減したりできる可能性があるとのこと。

生活習慣に関わるものだけでこれだけ存在します。
7% LDLコレステロール値の高さ(Heigh LDL cholesterol)
2% 運動不足(Physical inactivity)
2% 糖尿病(Diabetes)
2% 喫煙(Smoking)
2% 高血圧(Hypertension)
1% 肥満(Obesity)
1% 過剰なアルコール摂取(Excessive alcohol consumption)
合計17%
そして
7% 難聴(Hearing loss)
3% うつ病(Depression)
5% 社会的な孤立(Social isolation)
も影響が大きく、見過ごせません。
健診医としては、「生活習慣の改善が実は認知症抑制につながる」と生活指導の説明に入れてもいいかもしれませんね。
あとは難聴をきたしている受診者を耳鼻科につなげること。
他にもうつ病が疑われる受診者を精神科/心療内科につなげること。
あたりですかね。
ポイントは生活習慣の改善→認知症予防効果が大きい
でした。
参考になれば幸いです🌈
【健診】家族性高コレステロール血症(FH)【アキレス腱肥厚、角膜輪、眼瞼黄色腫・皮膚黄色腫をみたら、LDL-C180mg/dL以上、FH・早発性冠動脈疾患の家族歴をチェック→該当ありなら紹介】

こんばんは。ぼたもちです。
今日は「家族性高コレステロール血症(FH)」についてお話しします。
たまにいらっしゃいます。若いのにLDL-Cが高い方。
家族性高コレステロール血症(FH)なのかもしれないなぁと思いつつ、ぼんやりとした知識しか持ち合わせなかったので、整理してみました。
頻度は300人に一人と比較的多いです。

高LDL-C血症=180mg/dL以上
アキレス腱肥厚、腱黄色腫(肘・膝・手背)、皮膚黄色腫(*眼瞼黄色腫は含まない)
FHまたは早発性冠動脈疾患の家族歴(男性55歳未満、女性65歳未満)
2項目以上を満たした場合がFH
(家族歴は両親、子ども、兄弟姉妹)
診断基準には含まれないが
眼瞼黄色腫(FHの4~5割にみられる)
角膜輪(50歳未満のFHの3割にみられる、50歳以上だと老人環との鑑別が難しい)
もFH診断に有用な所見

治療は生活指導だけでは不十分な場合が多く、スタチンが第一選択
あとはエゼチミブやPCSK9阻害剤の追加が必要となるケースあり
治療目標は100mg/dL未満(かなり厳し目)、心筋梗塞の既往あれば70mg/dL未満
健診医としては
アキレス腱肥厚(指でつまんで1cm以上、通常は両側)
角膜輪(50歳未満)
眼瞼黄色腫(50%は高LDL-Cと無関係)・皮膚黄色腫
あたりをみたら、LDL-C180mg/dL以上、FH・早発性冠動脈疾患の家族歴をチェックして、該当ありなら紹介




参考になれば幸いです🌈
頸椎症 お役立ち知識(運動・日常生活の注意点を中心に)

胸郭出口症候群
壁に対して腕立て伏せを行う要領で、両手で壁を押すのが有効
1回20回の壁押しを朝昼晩行う
できるだけ腕を上げない姿勢をとることが大事
首の筋肉を鍛える運動
寝ころび首上げ体操 あおむけうつぶせ横向き 5秒10回1セット 朝夜1セットずつ
肩すくめ体操 10秒5回1セット 朝夜1セットずつ
腕回し体操 前回し10回 後ろ回し10回で1セット 朝夜1セットずつ
首の可動域を広げる運動
左右 上下 それぞれ15秒1セット 朝夜1セットずつ
頸椎症性神経根症
四つんばい首体操 首から頭にかけて一つずつ順番に 10回1セット 朝夜1セットずつ
ストレートネック
あご押し体操 10秒3回1セット 朝昼晩など一日5セット
首ブリッジ 3秒10回1セット 朝晩1セットずつ
デスクワークでは、1時間に1回は休憩をとり、首を回すなどのストレッチを行う
猫背
意識を常に首に向けて、「猫背になったらすぐに正す」ということを根気強く繰り返す
あごを引き、首の後ろが背中のラインと一直線になるような姿勢を心がける
腸腰筋の筋トレ 10秒3回1セット 朝昼晩の3セット
肩こりに効く運動
肩すくめ首回し 時計回り10回 反時計周り10回で1セット 朝昼晩3セット
神経根には修復力があり、首の安静を心がけて保存療法を3ヶ月続ければ改善する可能性が高い(60~90%)。保存療法をしない場合でも75%は自然軽快する。
痛みがある場合は、首を無理に動かさず安静にする。
痛みが軽減したら、積極的に運動療法を行って首の可動域を広げる
痛みが悪化した場合は中止、痛みが軽減したら再開する
運動療法は最低1ヶ月以上続ける
できるだけ毎日行う、一度にまとめてより、こまめに行う
温熱療法:頸椎症に対するエビデンスはなし。ただ、入浴で首までつかると気持ちいい
マッサージ・あんま:エビデンス十分でない。痛みや神経症状ある場合は医師と相談。
鍼灸治療:エビデンス十分でない。神経症状を伴わない軽症の痛みは効果的。
マッサージ・あんま・鍼灸治療は、医師判断で行う場合は、健康保険適応となる
整体・カイロプラクティック:神経症状ある場合は危険
バレリュー症候群:頸椎症+自律神経失調症(不定愁訴)
頚肩腕症候群=肩こり、基本は心配いらない、ストレッチを。
ただし頸椎症に進展することがあるため油断しないこと
日常生活
首を大きく後ろに反らさない
椅子に深く腰をかけて、あごを軽く引いた姿勢を保つ
運転中も立っている時と同様、頭が自然に首に乗っている状態をキープする
シートには深く腰かける
スマホも、スマホを持っていないときと同じ姿勢を保つ あごを引いてまっすぐ立つ
おすすめの枕
寝具と首のすきまを埋め、後頭部にぴったりとフィットするもの
あおむけ寝、横向き寝のどちらにも対応するもの
寝返りにも対応できるような十分な横幅があるもの
高さ調節ができるもの(頸椎の自然な前弯が保たれるように)
じっさいに枕に頭をのせて選ぶのがよい
硬すぎても軟らかすぎてもダメ、高すぎても低すぎてもダメ
脊椎脊髄外科指導医 日本脊椎脊髄病学会
脊椎脊髄病医 日本整形外科学会
HPから検索可能
【健診】禁煙指導の難しさ【4人に1人しか禁煙を考えていない、つまり禁煙指導で響けばラッキー】

こんにちは。ぼたもちです。
今日は健診アプローチ【禁煙指導編】ということでお話します。
健診で余力がある時は、禁煙指導を行うのですが、これがなかなか難しい。
何が難しいかっていうと、そもそも禁煙を考えている人が少ないんです。
どこかの資料だと喫煙者の25%しか禁煙を考えていないのだそう。
ということは、残りの75%の人は禁煙する気なんてないわけです。
そんな方々に禁煙の大事さを訴えても、何も響かない。逆に反発してしまい、「絶対禁煙しないんだ」モードに入る人もいるでしょう。
なので、初めから禁煙指導は、響けばラッキーくらいで臨んでます。
「おタバコ辞める気ありますか?」
「最近ちょっと辞めたいと思ってて」
このパターンはやりやすい
「おタバコ辞める気ありますか?」
「いつでも辞めれると思ってるから」
「今辞めないのはなんでですか?」
「なんとなく」
「おタバコ辞める気ありますか?」
「全く無いですね〜」
こういったパターンだとふんわりした情報提供で終わらせてます。
あまりに「全く無いですね~」パターンが続くと、さすがに萎えてしまい
そもそも医療従事者というだけで、人様の生き甲斐であるおタバコを取り上げようとする行為を行ってもいいのか?
とか自問自答し出すのですが、
それでもタバコは〇〇っていうくらい、有害性は実証されてますので、やっぱり辞めたほうがいいよとお伝えします。
あと「全く無いですね~」パターンがあまりに続く場合で多いのが、そもそも職場に喫煙所があるケース。
これは職場が公認してますので、やっぱり吸う人が格段に多いですね。
つまり環境が悪いので、環境という根本を変えなければ、正直禁煙指導の効力は期待できない印象です。
職種や業種によっても違います。
特にストレスの高い営業職の方は喫煙率高めな印象です。
医学的には全く不必要なおタバコ。
敷地内禁煙を徹底してほしいと医療従事者の端くれとしては、切に願います。
ということで、今日は禁煙指導の難しさということでお話しました。
ストレスはタバコ以外で解消しましょう🌸
で終わりたいところですが、
やっぱり医療従事者のエゴと言われたらそれまで。
たばこでなら、死んでもいいと思っている人もいるわけです。
この議論は結局延々平行線をたどりそうだと思うのですが、実際禁煙指導されている方はどう考えているのでしょうか。。
【健診】眼瞼黄色腫

こんばんは。ぼたもちです。
今日は【健診】眼瞼黄色腫についてお話しします。
診察しているとたまに見かけます。

眼瞼黄色腫といいます。
簡単にまとめてみました。
有病率は1%
ベースに高脂血症がある確率は50%で、高脂血症がないこともよくある。
治療は炭酸ガスレーザー治療や手術が一般的
治療法に関わらず、再発率は40%~80%と高い
見かけたらコレステロールはチェックしておきたい。
参考になれば幸いです🌈